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かぜとインフルエンザと新型コロナウイルス

2019年末に中国湖北省で発生した新型コロナウイルスは、2020年2月の時点で、世界中の人々に恐怖を与える感染症となっています。

まだ全面的に解明されていない病であり、有効な治療薬もないので、毎日のように報道される内容を見聞きしては多くの人々がただ怯えているのが現状です。

正しく恐れること。

戦うには敵を正しく知ることです。

本当にこの病がそれほど恐れなくてはいけないものなのか、これまでの情報と知識を整理していくことが大切です。

そこでまずは、初期症状の段階で新型コロナウイルスと区別がつきにくいかぜインフルエンザについて正確に知りたいと考えました。

誰もが知っているかぜインフルエンザを深堀りすることで、新型コロナウイルスへの対処方法のヒントを得たいと思います。

 

 

 

これまでのコロナウィルス

もともとコロナウイルスは、かぜとして鼻水、咳、発熱などを引き起こし、比較的軽症のウイルスとされてきました。

コロナウイルスは、ヒトに感染するかぜのウイルスとして4種類ありましたが、その後動物から感染する新型のSARSMERSが出現し、6種類となりました。

SARSとはー

2002年中国広東省起源で、世界的に集団発生が確認された新型のコロナウイルスです。

2003年7月に終息宣言が出されるまでに8098人発症、774人の死亡が確認されています。

MERSとはー

2012年9月サウジアラビアでは発症が確認されて以来、断続的に中東諸国や欧州などで患者報告がされています。

急性の重篤な呼吸器症状で、感染者の半数近くが死亡するという高致死率となっています。

そして今回2019年末、「COVID-19」と名付けられた新型コロナウイルスが登場したわけですが、この感染経路や詳しい情報についてはまだ不明点も多く、早急の解明されることが望まれている状況です。

インフルエンザとこれらのコロナウイルス感染症の簡単な比較表として、2020年1月末での資料を掲載しておきます。

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https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54982940Z20C20A1000000/

 

 

万病のもとと言われてきた「かぜ」とは

かぜとはかぜ症候群のことで、かぜ症候群は鼻やのどの粘膜に起きる炎症の総称であり、その原因の80~90%がウィルスによるもの、残りの10~20%が細菌やマイコプラズマなどの微生物によるものとなります。

かぜはウイルスによるものだと定義してもいいようですね。

ウイルスの種類は200~400以上あるといわれ、鼻づまりやのどの痛みなどの普通感冒の場合は、ウイルスの特定をすることはありません。

特定はしないので、かぜの抗ウイルス薬はなく、本来のヒトが持つ免疫力でウィルスと戦うことが基本になります。

ウイルスを排除しようとする戦いの証として、熱が出たり咳が出たりするのです。

ウイルスの種類や免疫力の質にもよりますが、上気道で対抗できなかった場合には、上気道から気管支へウイルスが広がると気管支炎、その先の肺へ炎症が広がると肺炎、中耳へ進むと中耳炎、鼻の周囲にある空洞へ進むと副鼻腔炎など、二次感染が起きてしまいます。

免疫力というのがどれだけ大事なものかがよくわかりますね。

細菌とはー

目で見ることはできない、単細胞生物(ひとつの細胞を持っている)です。

ヒトの体内にはもともと害を与えない細菌が常在していて、ヒトに有利な働きかけをしていますが、大気や水などの環境中に存在する別の細菌がヒトの体内に侵入しきて、それが感染源となることがあります。

侵入した細菌は、ヒトの体の栄養源を得て、自分を複製して増えていきます。

感染源の代表として、大腸菌や黄色ブドウ球菌などがありますが、それらの細菌をたたく薬として抗生物質という抗菌剤があり、それで治療ができます。

細菌が原因の感染症として、百日咳、結核、マイコプラズマなどがあります。

 

ウイルスとはー

ウイルスは人類が生まれるよりもっと早くから存在していて、その起源は30億年前と言われています。

細菌よりもはるかに小さく、細胞を持たないウイルスを生物とするかどうかは長い間議論されているようです。

ウイルスは人類が哺乳類として最後に出現する以前から、他の動物と共生していました。

平和に共存していたウイルスが、危険な「キラーウイルス」に変化するのが、他の動物に入り込んでしまったときです。

例えばカモのウイルスはカモの中ではおとなしく生きていますが、それがニワトリに入ってしまうと、ニワトリの免疫機構がそれに反応し、ウイルスもそれに対抗し始めます。

他の動物に入ったウイルスは、自らは細胞を持たないために、動物の体内の細胞で自分のコピーを作り、それらが別の細胞を壊していくという行為を繰り返していき、動物はそれに対して免疫機能で対抗します。

ウイルスとの戦いは、動物が生き続けるうえで避けては通れないものであるようです。

残念ながら抗インフルエンザ薬のタミフルのように増殖を抑える薬はあっても、ウイルス自体を叩き壊す薬は現在はありません。

ウイルスを死滅させるには、自己免疫がウイルスに感染された細胞ごと破壊するのを待つしかないのです。

ウイルスが原因の感染症としては、かぜ(インフルエンザ含む)、水ぼうそう、エボラ出血熱などがあります。

 

 

インフルエンザについて

風邪症候群の中でも感染源がインフルエンザウイルスと特定されて、初期から普通感冒とは症状が異なることで比較的わかりやすいのがインフルエンザです。

いきなり高熱から始まるなど、病院に行く前から個人で判断もできてしまうほど、今は周知の病名・症状です。

インフルエンザはインフルエンザウイルスによる感染症で、ヒトに感染するものとしては、A型B型C型の3種類があります。

B型はあまり変異のないウイルスで、2度目の感染からは悪化せずに済み、C型は症状も感染力も弱く普通感冒とあまり変わりがありません。

厄介なのがA型であり、毎年のように変化を起こし、世界的な大流行を起こすのもこの型になります。

現在毎年流行する季節性インフルエンザが、A型のH1N1、H3N2そしてB型ですが、それらも当時は新型であり、パンデミックを引き起こした型でした。

20世紀に起こった新型インフルエンザ

https://www.seirogan.co.jp/

A/H1N1とH3N2は弱毒性で、致死率も0.1%以下と言われていますが、2009年にA/H1N1が流行したときには、世界中がまだ免疫を持たない新しいウイルスに脅威を感じました。

今回の新型コロナウイルスがこれによく似た状況です。

しかし、上の表で黒く表示されている20XX年の新型として、現在もっとも恐れられているのが、鳥インフルエンザH5N1です。

鳥インフルエンザは、コロナウイルスなどとは比較にならない致死率であり、50%以上と言われています。

1997年、ヒトへの感染が香港で確認されましたが、今後ヒトからヒトへの感染をこのウイルスが獲得してしまうと、この極めて高い致死率から、かつてないパニックパンデミックが起こる可能性が非常に高くなります。

 

 

毎年流行しているインフルエンザにはワクチンと治療薬があります。

ワクチン―

インフルエンザウイルスは毎年変異があるため、その年に流行するウイルスを予測してワクチンが作られます。

接種後体内に入ったワクチンは、抗原(異物)と認識され、体の中でワクチンから細胞を守るために抗体がつくられます。

こうして前もって抗体を作っておくことで、流行のインフルエンザウイルスがのちに体内に侵入してきても、抗体のガードにより、ウイルスは容易に細胞の中に入ることができないという仕組みになっているのです。

http://www.minamitohoku.or.jp/

ウイルスも何とか細胞を乗っ取ろうと、毎回少しずつマイナーチェンジをしてくるので、毎年のように接種が必要になります。

 

抗ウイルス薬ー

インフルエンザには現在4種類の 抗ウイルス薬が使われています。

よく聞くところでは、タミフルやリレンザです。

これらの抗ウイルス薬は、前出の通りウイルスを死滅させることはできないのですが、ウイルスの増殖を抑えることができます。

これにより、もともとの免疫力やワクチンによって作られた抗体のほうが優位となり、ウイルスに勝つことができるのです。

抗ウイルス薬を使えば、ヒト自身の戦う力も全開でなくてもよく、発熱もおさえられるので、使わない人に比べると感染日数も減ることになります。

ただ、薬の力を使うと症状は軽く済みますが、自らの抗体をつくる力が弱まり、翌年再感染する割合が薬を使わない人に比べ高くなっているというデータも出ています。

薬を使うのも一長一短であるということですね。

 

 

まとめ

かぜインフルエンザについてまとめてみました。

細菌もウイルスも、地球上で共存しているものであり、ヒトの周りにもそれらが常に存在しています。

そして空気や他の生命体を糧にしているヒトは、その中にある細菌やウイルスをも常に体内に取り込んでいるのです。

今回ふたつの感染症について知ることで、新しいコロナウイルスについては、感染力は強いものの、過度に恐れることはないと感じました。

コロナウイルスやインフルエンザウイルスが変異を続けていく中で、最小限度の犠牲に抑えながらも、ヒトは共存を目指していくしかないのです。

 

 

最後にヒトの免疫の仕組みについて、わかりやすい記事があったので載せておきます。

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https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/

 

SARSMERS、そして今回の新型コロナウイルスCOVID-19においては、ワクチンも治療薬もありません。

症状を緩和させながら、自己の免疫機能で回復を図るしかないのです。

検査や診断よりも、自身の戦う力を信じること。

そうすることでヒトは、これまでもこれからも生き続けていくことになります。